はじめに ~経緯の概略~
私の次男は、「脊髄脂肪腫(二分脊椎)」と診断され、1歳6か月の時に手術を行いました。
入院・手術に至る経緯についての概略は、以下のとおりです。
- 地元の個人産院で出産→生後10日で地元の総合病院を受診→経過観察
- 思いもよらない転機が訪れる→1歳3ヶ月で転院決定
- 小児専門病院にて1歳6ヶ月で入院・手術(脊髄脂肪腫摘出術/脊髄係留解離術)
▶次男の出産~入院に至るまでについて、詳しくはこちらの記事にしました! ▶入院中、ベッド上での遊びやおもちゃについて、詳しくはこちらの記事にしました! ▶入院中にそろえた家電について、詳しくはこちらの記事にしました!
今回は、約3週間の入院生活や手術後の様子などを記事にしています。
※脊髄脂肪腫(二分脊椎)についての具体的な説明は割愛いたします。また、当記事は私一個人の私見であることをご了承ください。
入院初日(入院1日目)
入院手続き
① 入院窓口での手続き
- 事前に配布されていた入院関連書類(身元引受書など)を提出
- 「入院許可書」と患者(子ども)専用のバーコード付ネームバンドを受け取り、終了
② 病院入口での体調確認
- 看護士による入院前の体調確認を実施
- その場で検温を行い、事前に記入してきた「体調管理シート」※を確認しながらの問診 ※コロナ渦であったため、入院前2週間の体温と風邪症状の記録をするよう指示されていた
我が家の次男は、入院1週間ほど前に黄色の鼻水が出るようになってしまい、やばい!と思い、電動鼻水吸引器で懸命な鼻吸い活動を行いました(汗)いったん落ち着いて、やれやれ…と思っていたところ、入院当日の朝、透明の鼻水がキラリ…。
正直、鼻水を拭いてしまえば、外見上わからなかったのですが、手術を控えているということもあり、看護師さんに正直に「今朝、透明の鼻水が出た」と申し出たところ…、
今から救急外来へ行って、検査をしてきてください。検査の結果によっては、入院を延期します。
がびーーーん…!(せっかくいろいろと準備してきたのに…。)
そのまま救急外来へ行って、鼻水を採取し、検査を行いました。
結果が出るまでは1時間、院内には入らず、屋外で待つように言われました。
検査結果の待ち時間は、もし入院できなかったら「いつから復職にしようか」「保育園はすぐに慣らし保育してくれるだろうか」など、入院延期となった場合の対外手続きが頭の中を駆け巡っていました(笑)
そして、検査結果は…
- なんと!旧コロナ「陽性」が判明…!(とは言え、主治医からは「今ではただの風邪です」と説明)
- 主治医の判断により、入院許可が下りる
正直、検査結果には驚きしかありませんでした。なぜなら、入院前の2週間は、家族以外と接触しないよう外出は控え、公園と自宅の往復しかしておらず、家族の中にも体調不良の者はいなかったからです。
「なぜこの子が…?」という疑問は拭いきれませんでしたが、とにかく入院することが確定してほっとしました。
③ 麻酔医からの説明
- ようやく院内に入ることができ、麻酔科医のいる部屋へ
- 今回使う全身麻酔の説明(効果、危険性、使用方法の流れなど)をされました
④ いよいよ病室へ
- 鼻水が出ているということもあってか、個室へ案内され、順次、荷物を搬入
- 看護助手の方から、施設の説明(シャワー室や冷蔵庫の置いてある部屋の場所や利用ルールなど)がありました
術前MRI・CT検査
検査の流れ
- 普段はトリクロ(眠くなる飲み薬)で検査するが、今回は静脈麻酔での検査
- 検査8時間前より絶食、検査2時間前から飲み物も禁止
- 昼寝はなるべくさせない
- 検査3時間ほど前に検査着に着替え、点滴用ルートを取る
- 検査時間直前に、病室のベッドごと検査室へ移動
- 点滴用ルートに麻酔薬を投入、徐々に意識もうろうとなる
- 検査後は目覚めてから少量の水を飲み、特に異変がなければ飲食許可が下りる
- (夕方の検査だったが、)その後、まあまあ食べて再び朝まで眠った
次男の様子や感じたこと
- 点滴用ルートは包帯ぐるぐる巻きにされているので、子ども自身が触って外れることはなさそうで安心。本人の違和感も特になさそうであった。
- 朝食を食べたきり、昼食・おやつも取っていなかったので、「空腹で機嫌が悪くなるのではないか…」と心配していたが、意外と空腹にも気づいていない様子であった
- お腹が空いているからか、むしろお昼寝もしなかった
- 検査室に移動したあと、看護士からは「お子さんが完全に眠るまで一緒にいてもらいます」と言われていた。我が子が麻酔薬を投与され、意識もうろうとしながら何かを訴える様子を目の前にし、見るに絶えず、目を伏せ、涙をこらえていた。すると、女性麻酔医が気を利かせて「お母さん、あとは任せてください」と声をかけてくれた。私は震える声で「お願いします」と言い、検査室を後にした。
- 検査中は、検査後に飲食許可が出たあとに何か食べられるようにと、売店にゼリーやパンなど軽食を買いに行った
手術(入院4日目)
手術前
手術前の流れ
- 手術前日までは、特に行動制限や食事制限などなく、日常と同じ生活を送れる(コロナ前は外泊許可が出ていたとのこと)
- 手術は朝9時の予定
- 前日21時以降絶食、当日7時以降飲み物も禁止
- 病室から手術室へ移動するタイミングで、トリクロ(眠くなる薬)を飲む(手術前に泣いて取り乱さないようにするために)
\手術前になんと!ここでもトラブル発生!!/
手術予定時刻の1時間ほど前に、主治医が病室に来て、
命をあらそう患者(子ども)の緊急手術が必要になり、手術室が使えなくなった、とのこと
朝9時~予定されていた手術はいったん中止に
その手術が予定どおり終了すれば、当日11時ごろ~手術実施、万が一終了しなければ翌日以降に延期
……結果、予定どおり手術可能に!
次男の様子や感じたこと
- 飲み物禁止の時間になる前、「少しでも栄養があるものを…!」と野菜ジュースを用意していたが、看護師より「繊維の入っている飲み物」を控えるよう指示があったため、急きょアンパンマンジュースに変更
- トリクロ(眠り薬)を飲んだ息子は、少し陽気な様子に
- 初日MRI検査のときに泣いてしまったため、手術室への見送りのときには泣かないと決めた私。トリクロを飲んで、陽気で楽しそうにも見える息子の様子を見て、こちらも泣かずに送り出せました。
手術中
- 脊髄脂肪腫摘出術/脊髄係留解離術
- 11:30-17:30頃まで、約6時間の手術
- 両親のどちらかが院内におり、病棟からすぐに呼びに行ける距離に待機していればよいとのこと
- 主人に待機してもらって、私は食料の買い出しやシャワー室へ
手術直後
手術直後の流れ
- 手術後すぐに主治医(執刀医)から手術説明
- 患者本人(次男)は麻酔がさめるまで別室にて待機
- 目覚めが良く、特に異変がなければ家族が呼ばれる
- 別室にて麻酔医より痛み止めなどの点滴の説明がなされ、本人(次男)と一緒に病室へ戻る
- 目覚めてから少量の水を飲み、特に異変がなければ飲食許可が下りる
次男の様子や感じたこと
- 次男は麻酔の目覚めが比較的早く、19時頃には病室に戻っていた
- 手術当日夜は麻酔がまだ残っているのか、寝たり起きたりを繰り返していた
- まるで新生児の夜泣きのようだった
術後1週目|仰向け姿勢での安静(入院5~11日目)
普段の生活
- 腰部の手術であるため、閉じかけている傷が広がらないように身体をよじるような動きはNG
- そのため、抑制ベルト(布製)でベッドに繋がれ、食事も遊びも洗髪もすべて仰向けで寝ながら行った
- 着替えのときも大変なので、ズボンははかず、おむつ一枚で過ごした
- 手術後3日目には点滴が外れた
仰向けで寝ながら飲食をしたので、ストロー付きマグやパックジュースは必須でした!
また、腕に点滴が入っていたり、傷が痛むのか身体を動かすたびに泣いていて、着替えも一苦労なので、大きめサイズ(普段は90サイズだが、2サイズ上げて110サイズ)を着せていました。
次男の様子
- 手術翌日より徐々に発熱(手術によるもの)
- 着替えで身体を横に転がしたり、掛け布団(バスタオル)をずらしたりすると、泣いていた(先生曰く傷が痛んだり、足がしびれているから)
- お昼寝や夜、寝ようとすると、新生児モロー反射のように手足がビクッとなり、そのたびに目覚めてしまいなかなか寝付けなかった→手足をベッドシーツでくるみ固定したところ、徐々に反射が少なくなり入眠
- ずっと頭が布団とこすれているためか、髪の毛が絡まり、「鳥の巣」ができた
術後MRI・CT検査
- いつも通り、トリクロ(眠り薬)にて実施
- 検査室から戻るころには目覚めていた
術後2週目|安静解除→徐々に日常生活へ(入院12~18日目)
普段の生活
- ベットと本人をつないでいた抑制帯が外され、まずはベッド内から自由に動くことが許可される
- 安静解除2日目には、病室内(個室)での行動許可→3日目からは病棟内、個室から廊下に出て動くことが許可された
- 安静解除に伴い、食事も寝たままではなく、通常の姿勢で取ることを許可された
次男の様子
- 安静解除されると、自らごろんと寝返りを打ち、視界が変わったことを喜んでいた
- さっそくベッド柵をつかみ、つかまり立ちをしようと試みたが、足に力が入らず崩れてしまった
- 食事の際、座り姿勢が怖いのか、いまだベッド上で四つん這いで食べていた。(ベッド柵越しに食事を与える私はまるで動物園の飼育員のよう)
- 看護士さんからの提案でハイローチェアー(ベビーラック)を貸してもらうことに、ベルトがあるのが安心だったのか腰を立てて座ることができた
- 手術前はひとり歩きできていたのにもかかわらず、安静解除後はつかまり立ちすらできない状態になってしまい、「歩けなくなってしまったのではないか」と心配し、看護師さんに相談→リハビリ専門医に病棟まで来てもらい、診察していただいた
- 足のマッサージを受けたあと、「足の反応は良い」「力の入れ方がわからないだけで、数日で歩けるようになる」と言っていただいた
- その後、つかまり立ちができるようになり、診察の2日後、ひとり歩きができるようになった。(手術から2週間弱でようやくひとり歩きができるようになった。)
- 歩く様子について、術前はつまさきに重心がかかり転ぶことが多かった(靴のつまさきばかりに穴が空いていた)が、術後はかかとをつけてペタペタ歩くようになった
個室→大部屋(4人部屋)へ移動
- 小児専門病院の「大部屋」は、一般病院の大部屋と同等の広さの部屋に、最大4名が入っており、思ったより窮屈な感覚はなく、しっかりとプライベートを確保できた
- 夜中、子どもが夜泣きしたり、早朝から目覚めてぐずぐずすることもあるが、同室内の保護者間では「お互い様!」という雰囲気があり、そこまで神経をすり減らすこともなかった
- 同室で過ごした保護者とは自ずと会話をすることとなり、それぞれの子の病状や変遷などを聞くことにより、自分の見ている世界や価値観が大きく変わった
術後3週目|退院(入院19日目)
退院手続き
- 主治医より、退院後の通院頻度や生活上、留意すべき点について説明があった
- プールや温泉など、不特定多数が利用する場所は許可が出るまでNG
- 自分の力で身体を動かすのはいいが、外から力を加えて無理な姿勢になるのは避ける
- 泥遊びなどは、傷に直接泥などが触れなければOK
入院会計で精算が発生したのは、付き添い者用ベッド料金と患者(息子)の食事代のみでした。余談ですが、診療明細書を確認すると、今回の手術にかかる自己負担額は200万円との記載!それが、市の子ども医療証により、免除になっていました。ありがたい公的医療制度(泣)
その他やっておいた方がよいこと
- 他の診療科(整形外科と泌尿器科)の次回外来予約を予約窓口で取っておいた
- 会社と保育園に診断書が必要だったので、文書受付に依頼しておき、次回外来時に受け取れるようにしておいた
おわりに
今回、付き添い入院を経験して感じたことについて、大きく2点でまとめてみました。
○子どもに対する発見
- 意外と空腹でも気にしていない(麻酔のため半日絶食は我慢できるのだろうか、と心配だった)
- 意外と寝ながらでも生活できる(飲食はもちろん洗髪や着替えなど、やろうと思えばできる)
○自分自身に対する感想
- いろんな病気の子と関わる中で、「普通」の価値観が変わった(「普通」とはみんなと同じように生きることではなく、自分らしく生きることなんだなと思い改めました)
- 夜勤で働くワーママがいるということ(家族との時間や生活リズムの安定より、やりがいを求めてお仕事をされる方もいるんだな、という発見)
- 困ったときはプロに相談(病院食をなかなか食べない、歩けなくなってしまった、など小さな悩みでも看護師さんに相談したら解決につなげてくれました)
長編の内容となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
付き添い入院される方のお力になれたらうれしいです♪
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